高卒ブルーカラーの考えるあれこれ

1988年生まれ 大阪在住 二児の父

私と娘とポッピンQ

娘にせがまれて映画「ポッピンQ」を見に行った。東映アニメーション60周年記念のプロジェクトとして製作されたアニメーション映画であり、随分と気合いが入っているようだ。

劇場アニメ「ポッピンQ」 | 公式サイト

一応ストーリーをWikipediaから引用しておこう。

 

通過点でしかないと思っていた卒業式を目前に控え、中学3年生の伊純は前に進めずにいた。そんな時、海で美しく輝く「時のカケラ」を拾った伊純は、不思議な世界「時の谷」へと迷い込む。そこで、同い年の蒼、小夏、あさひ、そして「時の谷」に住み「世界の時間」の運営を司るポッピン族と出合う。「時の谷」と「世界の時間」が今まさに崩壊の危機に瀕していた。

危機を脱するには、伊純たちの持つ「時のカケラ」を集め、心技体を一致させた「ダンス」を踊るしかないという。迫りくる危機と、ポッピン族の厳しいダンス指導に戸惑う伊純たち。そんな中、ダンス経験者の沙紀が現れるが……。

「時のカケラ」に導かれた5人はダンスで世界を救えるのか?そして、無事に卒業できるのか?

 

プリキュアにSFを混ぜこんだ様な作品で、ダンスシーンはプリキュアのエンディングでノウハウがあるのか、よくできていた。しかし、簡潔にいってどの層に向けたのか、何がしたかったのかよくわからない作品だった。あれこれ詰め込み過ぎで消化不良といってもいい。もっとシンプルにすべきだった。同じように思った方もいる。

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 子ども向けというには世界の時間や同位体の設定などわかりにくいし、大人向けにしてはダンスで世界を救うなんてお手軽過ぎる。決してダンスが駄目な訳ではないが、ダンスでなければならない理由が薄かった。途中でバトルシーンもあるが、はたして必要があったのかと思う。素直にダンスだけにして、キャラクターがぶつかり合い、葛藤を乗りこえてダンスを完成させる方がよかった。沙紀という一人だけ元からダンスが得意なキャラクターがいるが、ある理由で心を閉ざしている。5人でダンスを完成されなければならないため、彼女のトラウマを解消し、心を開かせなければならないが、その過程があまりに都合よすぎるのではと思えた。沙紀だけでなく他のキャラクターについても同様で、悩みや問題を克服する描写が純伊純以外ほぼない。そもそも世界を救うはずのダンスも、練習シーンはあるにしても、いつの間にそんなに出来るようになったんだよと思ってしまった。沙紀を含めた5人揃って練習したシーンはなく、ラストシーンで沙紀が「私に合わせて」の掛け声だけで踊れてしまっているのだ。あれこれやりたいのなら、テレビシリーズで丁寧に作って欲しかった。この作品はその方が合っていると思う。

 

プリキュアは毎年新シリーズが発表され、それに合わせて映画も製作される。映画版プリキュアはテレビシリーズを土台にして製作されるので、世界観やプリキュアになった理由等はわざわざ説明されない。しかし、ポッピンQは完全新作である。2時間という枠がある以上、詰め込められる内容には限界がある。

 

エンドロールの後、少しだけその後の映像が流れたが、続編を期待させる内容だった。しかし、はっきりとしたアナウンスがなかったので、実際のところどうかはわからない。ひとつひとつの要素が悪くなかったので、これからの作品展開に期待したいところだ。

 

最後に娘の感想だが、とっても面白かったと答えている。子ども向けとしてはこれでよかったのかもしれない。