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高卒ブルーカラーの考えるあれこれ

1988年生まれ 大阪在住 二児の父

現場から離れるほど「ものづくり」が跋扈する

偉い人がこんなことを言う。「厳しい情勢ではありますがわが社にはすごい技術があるのでなんとか頑張りましょう」なんてことだ。私はそのたびに思う。いったいどの技術のことで、それは他社とはどれくらい差別化できていて、いくらの利益を出しているものなのか。私にはまるで思いあたるふしがない。

 

私はあまりテレビは見ないが、なんとなく日本や日本人を称賛する番組が増えたように思う。多分そういうものが世間では求められているのだろう。この国が自身をなくしている表れかもしれない。実際にネット上ではその手のサイトを製作するための人材を募集しているようだ。

「世界が絶賛する日本!」みたいな自国礼賛サイトはこうやって作られていた - エストニア共和国より愛をこめて

 

私は製造業に従事しているが、現場でものづくりなんて誰も言わない。日々の業務をこなすだけだ。ノルマに追われ、納期に追われ、予算を絞られ、偉い人から無茶を言われるのである。俺たちにはすごい技術があるなんて誰も思ってない。いたらただのアホだ。そもそも自分達が作っている物が、最終的に何に使われるかもわからない場合もある。図面の指示に従っているだけだ。

 

「ものづくり大国」とか「技術立国」なんていうが、そんなのはとっくに終わっている。過去の栄光にすがり付いているだけだ。確かにGDPはいまだ世界3位だか、一人あたりのGDPは26位だか27位だそうだ。単純に人口が多いからなんとか保っているが、生産性を向上出来なければ、悲惨な未来が待っている。詳しくはデービッド・アトキンソン氏の「新・所得倍増論」を呼んで欲しいが、日本は皆が思っているほどすごい国ではない事がよくわかる。

 

もう一度言うが、実際に生産に従事している人間はものづくりなんて言わない。言うのは偉い人か、現場と無関係な人間だけだ。いや、現場を知らないからこそ言えるのかもしれない。製造業にしろサービス業にしろ、「技術」や「おもてなし」なんてものはそうしなければクビになるからしているだけで、本当はどうでもいいと思っているのではないだろうか。

 

私はもうわかりやすい言葉で誤魔化すのはやめて、現実を直視するべきだと考えている。高齢化も少子化もかなりヤバイところまできているし、長時間労働同一労働同一賃金など仕事に対する意識を変えなければならないだろう。昔と同じやり方ではきっと解決出来ない。新しい価値観が必要だがそれが芽生える気配はまだない。「ものづくり」なんて言っている限りこの国に未来はない。