高卒ブルーカラーの考えるあれこれ

1988年生まれ 大阪在住 二児の父

夢が見たくば金を出せ

映画「この世界の片隅で」を見た。内容はとても素晴らしかったのだか、いかんせん上映している映画館が少ないので梅田まで行かなければならなかった。自宅からは電車で1時間ほどなので決して遠いわけではないが、普段は近所の映画館に行くので遠く感じたのだ。梅田は大阪の中でも洗練されている街だ。新幹線の停車駅である新大阪駅が近くにあるし、神戸にもアクセスがいいからだろうか。難波や天王寺とは違って垢抜けた雰囲気がある。クリスマスシーズンになり、街路樹はイルミネーションに彩られて、行き交う人々もなんだか幸せそうだ。私は映画を観賞するためだけに来たので、財布には交通費くらいしか入れていなかった。チケットはWebであらかじめ払っているので不都合はなかった。しかし、ほとんどお金を持たずに梅田を歩いているとなぜか場違いな所にいる気がした。そしてあることを思い出した。

 

 

私がまだ一人暮らしをしていて、リーマンショックが落ち着いてきた頃の話だ。友人たちに遊びに行こうと誘われ、ボーリング場へ行った。私は当時お金があまりなく、それは友人たちも同じで、どうするのかと思ったら併設されているゲームセンターでただ駄弁っているだけだった。筐体の間をうろつき、他人がプレイしている様子を眺めたり、不毛な時間が過ぎていった。私は確か一万円くらい財布に入っていたが、貴重な生活費だったのでおごってやるとは言い出せなかった。そのうちに解散になった。

 

 

梅田(正確にはJR大阪駅周辺)は少し特殊な街だと思う。なんというか綺麗なものだけが集まっている。難波にもロケーションがいい場所やブランドショップはある。だが、ひとつ裏の通りに入れば、飲んだくれのおじさんや奇抜な格好の若者がいる。特に心斎橋は外国人もたくさん観光に訪れるし、飲み屋のキャッチもあるしでごった煮という感じだ。だからか金を持っていなくてもあまり気にならない。梅田にいると金を持っていないことを強く意識させられる。もし、手取り13万円しかなくて人生活が苦しい人が梅田に来たらどういう思いになるだろう。改めて厳しい現実を思い知らされて、余計に辛くなるのではないか。あまり梅田には行かないのでこれらの全ては私の勘違いかもしれない。ただ、梅田は少し残酷な街たなぁと、私は思ったのだ。